土地の購入で損しない方法(パート2)
では、引き続きチェックリストの項目の説明をしていきましょう。(パート1チェックリスト)
パート1では3つ目の項目まで行きましたので、4つ目のところから始めたいと思います。
土地に水路(青線)が接しているか
これは実際の水路の話ではなく、法務局に備え付けてある地図(公図)上の水路(青線)のことです。
ちょっと説明の前に、青線(あおせん)ってなに?と思われる方もおられると思いますので、先に説明しておきます。
青線とは地図上に青い色の線で描かれた水路のことです。(下図参考)
この図は私が作ったもので、手書きで雑な感じの地図なのですが、実際の公図は本当にこんな感じです。明治維新後、租税の考え方を大きく変更しました。その結果土地に関してはそれまでの農地に対する作物の収穫量に応じた租税方法から面積による租税方法に変わったために地図が必要となったのです。
その作成作業の際に、所有者の特定できない道や水路については、道は朱色、水路は青色で表現されました。そのため、今でも水路のことを青線と呼ぶようになりました。ちなみに道は赤線とか赤道とか地方・地域によって呼び方が違いますが同じような経緯です。

当時の測量技術では十分な物はできなかったのですが、それでも頑張って作られたものが公図として備え付けられたのです。現在では電子化が進み、この公図をもとにした電子地図を備え付けるようになっています。
ちなみに法務局で公図を交付してもらうと、次のような感じのものがもらえます。電子化されたものですね。

それでは本題に戻りたいと思いますが、購入を検討している土地が青線に接しているかどうか?ということですが、必ず購入する前に青線が接していることを確認することをお勧めします。
その理由は青線とは公共の土地なので誰もがその機能を利用できるものです。なので、土地から出る水を流して良い土地ということになります。
もし、青線に接続していない場合には、自らの土地に水路を設置し公共の水路として提供しなくてはならなくなります。または、青線までの間に他人の土地しかない場合には、その人に土地を借りて水を流すことになります。場合によっては高額な借地料を請求されることもあります。
このことを知らずに青線に接していない土地を購入したなら、ひどい目にあいますね。
例外についてですが、次の場合には青線に接していない土地でも水を流すことができます。
- 自治体名義の公衆用道路という地目の土地が接しており、なおかつ、実際の現場で、道路の水路が目的となる土地に接している場合は道路に対する水路のつなぎ込みの許可を得ることで水を流すことができます。(道路法:道路占用許可)
- 河川地域に指定される土地に接しており、実際の現場ですでに水路が設置されているような場合には引き続き水を流して問題ないです。河川地域に指定された土地に接していても実際に水路等がない場合には勝手に水を流し込むことはできません。場合によっては罰則もありますのでご注意を。(河川法)
- 実際の現場で農業用水路や何らかの水路があり、その土地が地図上の用悪水路として登記されている場合で、すでに20年以上も水路に水を流してきている事実がある場合は若干の不安要素はあるものの、全く流せないとことは避けられます。この場合には購入される前に、水路としての地役権を得てもらい登記しておくことを条件にした方が良いかもしれません。特に田舎の場合には気に留めておいてください。(民法地役権等)
土地の地域は浸水地域ではないか
今から購入する土地の地域が大雨が降った際にどうなるか、確認した方が良いです。特に平野部に土地を求める際には必須です。
これについて、土地の譲受を行う際には、不動産業者を介する場合には、重要な事項として土地の状況について説明を受ける事項となります。
しかし法的には問題ないとされている場合でも、実際には水浸しになってしまう土地というのはありますので、豪雨の時に状況を確認しておくことを絶対にお勧めします。
もともと農地だった場合には浸水地域ということではなくても、水が流入しやすい場所になっていることもよくあります。このような土地の場合、土砂を土地に埋めて、周りと同じくらいまで高くして宅地として利用したりします。
このとき注意しておきたいのは、土地を高くし水の流れを変えるので、隣接土地との関係について、もし流水を阻害する場合には、原因者の負担で機能を回復することになります。
しかも場合によっては自分の土地に水路を設置しなくてはならない場合もあります。こんな場合は、まず、その水路の新設に必要な土地を事前に分筆登記してもらい、その土地は売買の対象から外しておく方が良いでしょう。
わざわざ、他人のために土地を買って、しかも水路工事費まで負担することは絶対に避けたいですよね。
また逆に、青線に接していない土地で道路の水路が唯一の排水方法である場合は、道路管理者の許可を得なければならないので、事前に土地を高くする場合には、道路の水路に流し込むことについて許可を得ておくことをお勧めします。これは道路占用許可及び道路改築許可になります。
浸水地域の確認は市役所や区役所でも確認できます。浸水地域といっても、考え方が2通りありまして、一つは水防法に規定される浸水想定区域というもの、一つは事実上の浸水地域があります。
水防法上の浸水想定区域は行政レベルで対策を講じられますので、通常時すぐに浸水被害が出ることはありません。
ですが、近年は豪雨警報が頻繁に発令され、集中的な豪雨により宅地への浸水被害が毎年のように出ています。このことも踏まえれば、浸水想定区域については十分に検討して購入しましょう。
一方で、事実上の浸水区域については、前述したとおりですが、水の逃げ場がない場所だから空地の状態が続いているとも考えられますので、土地の経緯はご自身で現場を確認し、ある程度知識を持った人から有料だと思いますが、アドバイスをもらった方が絶対に損をしないと思います。
ということで、今回のパートも詳しく説明しましたが、かなりのボリュームになってきたので、残りはまた次回のパートで記事にしたいと思います。では、またです。


