2026年取適法(旧下請法)の新基準を解説

【はじめに】

「うちは資本金が小さいから、下請法の対象にはならないはずだ」 「取引先もそれなりの規模だし、中小企業向けの法律は関係ない」

もし貴社がそのように考えているなら、2026年1月から施行された「取適法(中小企業受託適正化法)」において、大きな法的リスクを抱えている可能性があります。

今回の改正で最も注意すべき点は、法適用の判定基準に「従業員数」が追加されたことです。本記事では、行政書士の視点から、見落としがちな新基準の落とし穴を解説します。

1. 2026年から変わった「下請取引」の定義

これまでの下請法は、主に「資本金の親子関係(例:資本金3億円超の親会社が、1,000万円以下の会社に発注する場合など)」だけで判定されていました。

しかし、新法(取適法)では、資本金がどれだけ大きくても、「従業員数」が基準を満たせば保護対象(受託側)となります。

2. 新基準「従業員数300人以下」の衝撃

新法では、受託者側(受注側)が以下の基準に該当する場合、発注側は厳しい法的義務を負うことになりました。

  • 製造・修理・情報成果物作成・役務提供: 従業員数300人以下
  • 卸売業: 従業員数100人以下
  • サービス業: 従業員数100人以下
  • 小売業: 従業員数50人以下

つまり、たとえ相手が資本金1億円の「中堅企業」であっても、従業員数が300人以下であれば、貴社は「発注書(4条明示)の交付」や「60日以内の支払い」といった義務を強制的に負うことになるのです。

Q. 従業員数にはアルバイトやパートも含まれますか?

A. はい、原則として含まれます。
継続的に雇用されている労働者であれば、短時間労働者であってもカウント対象となるのが通説です。「正社員が少ないから大丈夫」という判断は、取適法においては通用しない可能性が高いので注意が必要です。

3. 「知らなかった」では済まされない行政処分

「相手の従業員数なんて知らない」という言い訳は通用しません。法適用の対象であるにもかかわらず、従来の慣習で「口頭発注」や「支払いサイトの延長」を行っていると、以下のリスクが発生します。

【重要】2026年1月施行:改正法による「保護対象」の拡大

業種区分 従来の基準 (資本金) 新基準 (従業員数) 個人・一人社長
製造・建設・IT・運送 3億円以下 300人以下 フリーランス新法の対象
(特定受託事業者)
卸売業 1億円以下 100人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
小売業 5,000万円以下 50人以下

※注意:資本金・従業員数のいずれか一方でも「受託者」の基準を満たせば、法規制が適用されます。

  1. 公正取引委員会による立入検査
  2. 是正勧告および「企業名」の公表(実名がニュースサイト等に載ります)
  3. 過料(50万円以下)の公認

特に、大手・中堅企業にとって「企業名の公表」は、コンプライアンス(法令遵守)の欠如として社会的信用を大きく損なう致命傷になります。

4. まずは「自社の取引先」を棚卸ししましょう

この改正により、これまで「下請法対象外」だと思っていた取引の多くが、今月(2026年1月)から「違法状態」に陥っている可能性があります。

貴社の現在の取引が安全かどうか、まずは簡単なチェックから始めてください。

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  • 従業員基準に該当するか?
  • 現在の発注書で罰則を受けないか?
  • 価格交渉の義務を果たせているか?

わずか5分で、行政書士監修の法令根拠に基づいた判定が可能です。

【結び】

取適法は「知っているか、いないか」だけで、企業の命運を分ける法律です。当事務所では、診断結果に基づいた契約書の作り直しや、社内体制の整備を専門的に支援しております。

少しでも不安を感じられたら、手遅れになる前にぜひご相談ください。