土地の購入で損しない方法(パート4)

少し日が開いてしまったのですが、引き続き土地の購入で損しないための知識を紹介していきたいと思います。

ちょっとその前に、ある土地(田)の購入を考えている人からの相談の事例を紹介したいと思います。

Aさん
Aさん

市街地に近くて安い土地があったので購入しようと思っています。もともと田んぼだったらしいのですが、2年間は耕作していない土地です。見晴らしもいいし、大きな道路にも接しているのですが何か注意する点はありますか?面積は60坪で駐車スペースも2台取れて、趣味で家庭菜園もできそうな素晴らしい土地です。

私

その土地は周りの土地の価格と比べて坪(約3.3㎡)単価どのくらい安いのですか?家を建てられる土地にするためにどのくらいの造成費が必要になりそうか考えて、それを差し引いても安いかどうかで比べてくださいね。

Aさん
Aさん

造成費か~。今は坪単価は15万円で売りに出しているけど、安いのかな?近くに土地を買った知人の話からだと、坪単価30万円で買ったと聞いたので半額だと思っていたんですけど。

私

もし知人の方が同じように田んぼを買ったのであれば半額ですね。

もし宅地を買っていたら色々な造成が行われた後で買われたものかもしれないので、土地の条件を聞いてみた方がいいですね。

Aさん
Aさん

造成費ってそれほどたくさん必要ですか?安く買って自分で造成した方が安くつくのではないですか?もし倍の単価で売りに出てたらちょっと買う気にはならないと思うんです。

私

そうですね。結局土地を売ろうとしている人も、少しでも利益が欲しいと思うので、色々見せ方を考えるんです。造成してみると意外と経費がかさみ、坪単価が倍以上になったということはよくある話ですから。後から分かっても買ってしまったらなかなか元には戻せませんからね。一度土地の状況を現場で一緒に見てみましょうか?

Aさん
Aさん

やはり、見てもらった方がいいかもしれません。気が付かないところで予定外の大きな出費は勘弁してもらいたいので。

じゃあ今からお願いします。目の前に土地があるので!!

私

こちらこそ勘弁してください!!

さて、あなたならどうアドバイスしますか?

これまで、3回に分けて紹介してきた知識だけでも、いくつもチェックする事項があると気づかれるのではないでしょうか。もしこれが、ご自身や親類のお話しなら、間違いなくアドバイスした方がいいですね。

本題に入る前にこの会話の想定される造成費を上げてみますと、

①田んぼの土の真砂土への入れ替え
②農業用水路の蓋掛け
③宅地内排水路の設置
④土地擁壁の補強
⑤下水道、上水道の管路設置
⑥道路乗入部の道路工事
⑦農地の転用許可申請手続き
⑧土地の境界確定及び登記整理
⑨土地改良区への排水同意申請

この他にも場合によっては、セットバックにかかる土地利用の制限や低地に対する排水施設保障工事など様々な経費が上乗せされます。これがAさんが土地を購入した後に発生する可能性のあるものです。

ということで、損する前に知っておいた方が絶対にいいことってありますので、続きを始めましょう。

土地の弱みcheckリストの項目⑧からまいります。

その土地を支えている擁壁はどのような状態か

擁壁とは隣の土地との間のブロックを積んで作ってある壁やコンクリートで作ってある壁のことです。とのなりの土地と高さが違えば壁を作るか、なだらかに斜面を作るかのどちらかになりますね。

しかし市街地では、斜面を作って隣の土地に接続させるとそこには何も作れないので、多くの場合は擁壁を作ることになります。

擁壁の状態については、分かりやすく言えば傾きに異変がないか、ブロック積みは壊れていないか、または波打ったり膨らんできていないかを見ておくということです。

もし擁壁に異変があった場合、大雨が降った際に土地が崩れてしまい、家が傾くことがあります。また、隣の土地の人から、擁壁が壊れそうだから修繕してもらいたいと要望があった場合には土地の所有者の責任として工事費を負担して修繕しなくてはならない場合があります。

もし、修繕せず放っておいて擁壁が崩れて隣の土地の家屋などに被害を与えた場合は損害賠償責任を追及されることにもなりかねません。

正常な状態の擁壁

擁壁の種類によって崩れる危険性の状態は異なります。購入される際にはできるだけ売主と一緒に現地で確認しながら、気になる部分の擁壁を修繕してもらった状態で購入されることをお勧めします。

安く購入して自費で修繕するといっても、隣接の土地所有者が色々なことを要求することも考えられます。境界付近の案件については多少買値が向上したとしても売主に任せておいた方が得策です。必要以上に無用な出費になるのを防ぎたいところですし、近所付き合いのことも考えると面倒は避けたいところですからね。

土地の目の前の道路から車両の出入りができるか

土地によっては大きな道路に面している場合もあります。特に注意しておきたいのは、歩道がついている道路に面した土地については車両の出入りが可能かどうか要確認です。

歩道がある場合は自家用車の乗り入れを行う場合には、道路の改築工事許可を道路管理者(主に国道は国、県道は県、市町道は市町)に得なければなりません。

そして、歩道の上を車両が走っても壊れないよう舗装のやり替え工事を行うことになります。さらに場合によっては歩道が車道よりも10センチから12センチ程度高くなっているとこもあります。この場合には歩道の切り下げ工事をしなくてはなりません。

また、車道と歩道の間にガードレールがある場合はこれを撤去する工事も必要となります。交通量の多いところや歩行者の往来に危険性が高い道路などでは、ガードレールの撤去工事の許可が出ない場合もあります。自家用車の出入りが可能か否かは事前に市役所などに行って確認しておくといいですね。

他にも、道路の水路がある場合には水路に蓋掛けをしなくてはなりません。この場合、すでに設置してある水路が歩道用で、強度が弱いものである場合は、蓋をかけるだけではなく、水路の付け替え工事も必要となります。

車両が通行可能な水路はかなり高価なものが多いため必ず購入前には水路の種類まで確認しておくことをお勧めします。

なお、強度の足りない水路に鉄板を渡して簡易に進入路として使用しているものをよく見かけますが、ほとんどの場合が水路が痛み、水漏れなどして宅地に悪影響をもたらすことになります。後は、見た目にも美しくないですし、道路に勝手にものを置くのは違法行為になりますので、これは止めた方がいいですね。

さらに、道路に植樹帯がある場合は、乗り入れ口を自由に決められないこともありますし、工事許可が得られないこともあります。もし許可が得られたとしても、植樹帯の部分は多くの場合、地盤が道路構造になっていないので、砕石層から始まり、下層路盤、上層路盤、舗装と全てやり替えることとなり、かなりの工事費が発生しますので、覚悟するようになります。

最近では道路を含めた景観形成が注目されています。おしゃれな街の多くは植樹帯や水路の景観までこだわって仕上げられています。おしゃれなところに家を建てるということは、それなりに出費もかさむものなので割り切ることも必要かもしれませんね。

ということで、今回も長くなりましたが、引き続き丁寧に残りの項目も説明していきたいと思いますので、土地の購入の際にはお役に立てれば幸いです。では今回はここまでです。さようなら。