土地の購入で損しない方法(パート5)

こんにちは。今回で土地の購入で損しない方法も5回目となりました。第4回目までは、特に重点的な問題をお話してきたので、一つずつの項目がかなりのボリュームになりました。

残りは比較的に分かりやすいものと思いますので、一読いただければ大丈夫かなと思います。一気にまいりますのでよろしくお願いします。

~田舎暮らしを考えているAさんの相談~

Aさん
Aさん

不動産屋に行って田舎暮らしするための

良い土地ないかなと思って相談にいってみたんです。

私

良い土地が見つかりましたか?

Aさん
Aさん

はい!!

田園景色の広がる素敵な土地がありました。

私

もしかすると、その土地って田んぼですか?

Aさん
Aさん

もう、3年くらい耕作されてない土地で、地目は田でした。面積も家を建てるには

ちょうどよくて、手付をしてきました。

私

え!手付ってお金を払ったんですか?

Aさん
Aさん

はい。何か問題でもありますか。良い土地なので、すぐに売れてしまいますって言われたから。

私

落ち着いて聞いてくださいね。

それは、すぐに家を建てることは出来ないかもしれません。農地は農地法という法律で、自由な売買や地目の変更を制限しているんです。さらに場合によっては、農業振興地域の農用地区域に入っていると、1年ぐらいは地目の変更ができない可能性があります。

Aさん
Aさん

えーーーー!

それじゃどうしたらいいんですか?手付まで払ったのに。

私

大丈夫ですよ。

農地法では売買の許可をする場合には、土地を何に利用するのかを明確にしなくてはなりませんし、その許可後でなくては売買はできませんので、そもそもこの契約は現状では譲り渡すことができない契約ですね。

そんな重要なことを説明していなかったのですから、無効を主張できると思いますよ。

Aさん
Aさん

うわー助かったーー!

すぐに不動産屋に行って手付を返してもらいます。

この二人の会話は、昨今の田舎への移住ブームで、よくおこる問題です。

田舎というのはのどかで自由なイメージがありますが、農村地域を守るということは日本の農業を守ることにつながるため、法律でも手厚い保護が国に要求されています。その結果、保護の反作用として制限も多いのが実態です。

移住をお考えの場合には、農地を購入して宅地化するよりも、現時点で家が建てられる土地を購入することをお勧めします。

ただし、農業をやりたいという場合には、例外です。

農業を守るという観点から、新規に農業を始めたいという場合には、色々な補助金や有利な制度が用意され、なおかつ、農地であっても、農家住宅として利用されるのであれば一般の人が住宅を建てるほど難しいことではありません。

詳しいことは農業委員会に問い合わせることとなりますが、このような手間暇がかかるということを知っておくだけでも、損しない土地の購入ができますね。

ということで、これから前回の続きを始めます。

土地に接続している水路は土砂やゴミが堆積していないか

土地を購入する際に、チェックしておいて欲しいのが、宅地の雨水を排水するための水路の状況です。

せっかく土地に水路が接していても、土砂などが堆積して水が流れないようであれば、雨が降るたびに、車庫やお庭が水浸しになってしまいます。

これを改善するために大きな出費をしてしまうようでは、損をすることになってしまいますね。

ということで、土地に接している水路の様子はチェックしておきましょう。

万が一、水路に土砂などが堆積している場合には、その水路の前後を歩いて現場で確認してみるといいですね。

例えば、水路全体が土砂が堆積しているようであれば、市役所に行って道路管理部門の係の人に土砂を撤去してしてもらうよう要望することもできます。

土砂の堆積が水路の破損などが原因であれば修繕するようにも要望できますので、相談に行くことをお勧めします。

しかし、ここで最も注意したいのは、水路の傾斜が十分ではなく、雨が降るたびに水があふれてしまうような場合は、どこに相談しても良い回答は得られないということです。

この場合はポンプを設置し水路の水を適切な場所まで送水する方法もありますが、工事費やメンテナンス費用など多くの出費を覚悟しなくてはならないので、このことをよく覚えておいてください。

土地の境界は確定しているか

土地の金額はその土地の物理的な要因だけではなく、権利上の要因も気にしておかないと、大きな損をしてしまいます。

その一つが”土地の境界”が定まっているかということです。

土地の境界が定まっているとは、現地で土地家屋調査士協会の印の付いた金属の杭やプレートまたはコンクリート杭などによって法務局に備えてある公図が復元されているかということです。

もっと詳しく言うと、その土地の測量図または丈量図が法務局に備え付けてあり、なおかつ、精度の高い座標により登記されているかということです。

境界が定まっていることがどうして土地の金額に関係してくるのかというと、先ず境界を定めるには、測量をする必要があります。

その測量には土地家屋調査士や測量士、測量士補助、隣接土地所有者及び利益関係者など多くの人が関り、そこには業務依頼経費や費用弁償など多くのお金が必要となります。土地の広さや形状にもよって異なりますが、30万円以上はかかると考えておいた方が良いでしょう。

さらに、土地の境界が確定した後には、境界画定協議書を関係者と交わし、測量図に調査書や写真類を添付し法務局へ登記申請を行う必要があります。

この事務手続きを司法書士や行政書士などに委託するとさらに事務手数料を支払うことが必要となり、さらに10万円以上の出費を要することとなります。

このように、土地の境界を購入した後から確定していこうと考えると、想定以上に大きな出費をしてしまう要因となりますので、購入する土地の境界が確定していることを確認することをお勧めします。

隣接土地からの水の流れ込みはないか

土地には必ず高低差があります。そのためよく問題となるのは水の流れ込みです。

隣の土地から雨水が流れ込み自分の土地が水浸しになるのは誰でもいい気持ちはしません。土地はぬかるむし、家に湿気もたまりやすくなります。

ということで、土地の購入の前に、隣接する土地から水の流れ込みがないか確認しておきましょう。

もし流れ込みがあるようであれば、購入する前に売主の人にそれを改善するように要望してみましょう。流れ込みの経緯が分かれば、隣接土地の所有者に改善するよう求めることができます。

新たに購入した場合には経緯が分からないことが多いので、相手方が改善する必要があることを訴えることが難しくなることがあります。

ちなみに、私が立ち会った経験では、隣接土地から雨水の塩ビの排水管が20センチ程度突き出しており、そこから下の土地に向けて雨水が流れ落ちてい状況がありました。

土地を新たに購入した人が、隣接土地の所有者に塩ビの排水管の撤去と雨水の処理について改善を求めたところ、前所有者に流してもいいという許可を得ていたということで、さらには、お金まで払っていたというケースがありました。

結局この新たな所有者は他に打つ手はなく、自らの負担で水路をを新たに設置し、隣接土地からの雨水を流すこととなりました。

このような例は、決してレアなケースではないので、損しないためにも、隣接土地からの雨水などの流れ込みについては売主に解決してもらうよう要望してみましょう。

日当たりは良いか

日当たりは宅地を購入する場合には必ず確認しておきたいところですね。日当たりの良い土地では建物の状態も良い状態が維持できますし、湿気による虫やカビの繁殖も少なくなりますね。

日当たりについて考える際には、周りの土地の利用状況についても確認しておくことをお勧めします。

現状では日当たりが良くても、あなたが購入を考えている土地の東側と南側に宅地があれば、将来的にそこに建物が建設される可能性があります。

また、大きなビルの建設予定などがないかということも調べておきましょう。都市計画区域の地域指定を見ておけば、商用施設のような大きな建物が建つ可能性を確認することができます。都市計画区域の地域についてはその土地の管轄市役所で確認することができます。

土地の隣接山林が急傾斜地になっていないか

郊外や田舎の山林近くに家を建てるための宅地を購入しようとしている場合には、隣接する山林が急傾斜地になっているかどうかを確認しておいた方が良いでしょう。

急傾斜地とは、30度以上の傾斜角で、5m以上の高さがある傾斜地のことです。

このような土地の場合は、傾斜部分をよく見て確認しましょう。ブロック等のひび割れや、膨らみなどがある場合は特に要注意です。このような状態があれば雨が降った場合に崩れる恐れがあります。

なお、都道府県知事が急傾斜危険区域というものを定めています。管轄する都道府県の建設事務所などで確認できますので、訪ねてみるのもいいかもしれません。

近隣土地は管理上の問題を感じないか

実はこれが意外とトラブルの原因になるので土地の購入を考える際には絶対に覚えておいて、現地を確認することをお勧めします。

では、どのような状態に注意したらよいかというと次のような土地の状態です。

注意したい近隣土地の状態

①雑草が覆い茂っている状態
②土地にゴミや不法投棄物が散乱している状態
③土地から汚水が染み出ているような状態
④崩れかけている家屋等が放置してある状態
⑤私物が土地の境界を越えて道路や水路においてある状態

このような状態の土地が近隣にあると住民間でのトラブルが起きやすくなります。また、このようなパターンの多くは公権力による救済があまり期待できないことが多く、新しく家を建てた後などで泣き寝入りすることが多いものです。

ごみの収集について問題はないか

土地を購入し住宅を建てえる場合にはごみの収集について確認しておきましょう。

住宅街では住民組織などによる集積場所の共同設置が多く、勝手にごみを出すことが禁止されていることが多いです。

また、新たに造成された住宅建設用の区画分譲地では、ごみの集積地を用意してないものがあり、自分の家の土地を提供してゴミ集積地を作るようなこともあります。

ごみの集積地については必ず有無を確認しておいた方が良いでしょう。無いことが予め分かれば、手の打ちようもありますね。

動物が苦手な場合は近くに動物園や家畜施設がないか

動物が苦手な人もいると思います。そういう人は購入を希望する地域の半径1㎞程度に目を向け動物園や家畜の施設の有無を確認しておくことをお勧めします。

最近ではあまり聞かなくなりましたが、動物の排泄物のニオイが地域の問題になることもあります。風向きによってはかなりニオイが強くなることもありますので、確認しておくことをお勧めします。

万が一このような状況に気づかないまま家を建て生活を始め、その後に気づいたとしてもほとんどの場合はどうしようもありません。購入前に必ず確認しておくことをおすすめします。

まとめ

『損をしない土地の購入方法』について5回に分けて記事にしました。

出来るだけ詳しく分かりやすく記事にするように心がけましたが、ものによっては法律や制度が複雑に絡んでいることもあり、説明に苦慮したところもあります。

簡易にするために若干の表現の不正解があると思いますがご理解お願いします。

これらの土地の購入の際に知っておきたい知識は、何件もの物件を見て歩き、毎日のように相談を受けた経験から積み上げられた知識です。

土地を購入する、家を建てるということは人生にとって大きな出費の1位ではないでしょうか。その分、失敗して大きな損など絶対にしたくないですよね。

何人もの悲しい思いをする人を見てきたからこそ分かる、この経験を皆様のお役に立てていただければ幸いです。