そのターゲット設定、甘くない?「明るい人・暗い人」の気質をSTP分析に組み込む技術

はじめに

ビジネスの世界では「明るいこと」が正義とされがちです。しかし、マーケティングの現場でその常識をそのまま適応するのは、実は非常に危険な賭けかもしれません。

なぜなら、私たちがターゲットとする日本人の大多数は、遺伝子レベルで「慎重(暗い)」な性質を持っているからです。

今回は、行政書士としてリスク管理を見つめ、起業スクールで多くの挑戦者を支援してきた視点から、「気質(明るさ・暗さ)」をSTP分析にどう活用すべきかを解説します。


1. 日本人の8割は「暗い」のが当たり前?遺伝子の真実

まず、前提となる衝撃的なデータをお伝えします。 人間の幸福感や不安感に大きく関わる「セロトニン・トランスポーター遺伝子」というものがあります。これには「S型(不安を感じやすい)」と「L型(楽観的)」の2種類があります。

統計によると、日本人の遺伝子タイプの割合は以下の通りです。

  • SS型(極めて慎重・不安を感じやすい):約68.2%
  • SL型(中間):約30.1%
  • LL型(楽観的・明るい):わずか1.7%

なんと、日本人の約8割が、不安を感じやすい「S型」遺伝子を保有しています。 一方、アメリカ人はLL型が約32%も存在します。

つまり、日本市場において「みんな明るい未来を求めているはずだ!」という前提で動くのは、人口の2%未満の超少数派を追いかけているに等しいのです。


2. STP分析における「気質」のセグメンテーション

この「遺伝子レベルの慎重さ」を、マーケティングの基本フレームワークであるSTP分析に落とし込んでみましょう。

Segmentation(市場細分化)

従来の「30代女性・都内在住」といったデモグラフィックデータに、「気質(サイコグラフィック)」を加えます。

  • 「陽キャ」セグメント(LL/SL型): 成功報酬や自己実現に反応。SNSでの露出を厭わない。
  • 「慎重派」セグメント(SS型): 損失回避やリスク軽減に反応。目立つことよりも「安心」を好む。

Targeting(ターゲット選定)

ここで重要なのは、「表面上の明るさ」に騙されないことです。 SNSで活発に発信している人(明るい人)は、ターゲットとして見つけやすいですが、同時に競合も多く、また「生活ログ」を出しすぎるがゆえの法務リスクや炎上リスクを抱えています。

あえて、人口のボリュームゾーンである「慎重で思慮深い(暗い)人」をターゲットにする方が、ブルーオーシャンである場合が多いのです。

Positioning(立ち位置の決定)

  • 明るい人向け: 「あなたの可能性を爆発させる!」「最速で突き抜ける!」
  • 暗い人(慎重派)向け: 「失敗しないための法務戦略」「一人で静かに稼ぐ仕組み」

このように、相手の遺伝子タイプに刺さる言葉選びをするだけで、成約率は劇的に変わります。


3. SNSの「明るい発信」は、弱点の開示でもある

行政書士の視点から一点アドバイスを。 SNSで「自分は明るい」と過剰に発信している人は、ある意味で「私は隙だらけです」という個人情報を公開しているようなものです。

特に、特定の異性への過剰な反応や、キラキラした生活ログは、詐欺師や悪意のある第三者にとっての「攻略ルート」になります。 STP分析でターゲットを絞る際は、その人の「SNSでの振る舞い=リスク耐性」まで見極めることが、健全なビジネス運営には欠かせません。


まとめ:日本人の「暗さ」を味方につける

統計的・学術的に見て、日本人は「暗い(慎重)」のが標準仕様です。 「明るいこと」を前提にしたマーケティングは、土台から間違っている可能性があります。

  1. ターゲットの遺伝子レベルの慎重さを尊重する。
  2. 派手な言葉ではなく、安心と論理を届ける。
  3. SNSの行動から、相手の「脇の甘さ」や「誠実性」を読み解く。

この視点を持つだけで、あなたのビジネスはより堅実で、精度の高いものになるはずです。