就職とは、お金をもらって勉強するもの
現在、高校生、専門学校生そして大学を卒業しようとしている多くの人たちは、来春からの新たな生活に向け就職の準備をされていることでしょう。
今回のテーマは若い人たちが苦労している就職について、私の体験談を通じて、楽しく前向きになってもらいたいと願い記事を書いていきます。
結論からいうと、あくまでも個人の見解ですが、
就職活動は、入学試験と同じ。お金をもらって勉強できるところを探すもの。
と考えて就職活動をしてもらいたいのです。
この意味を、少しばかり自分の反省と後悔も踏まえて、お話させてもらえればと思います。
私の学生時代の就職戦線
先ず私の20代の頃の就職事情をについて触れておきたいのですが、新社会人となる人数は戦後最大と言われていまして、就職するにはかなりの競争を勝ち抜くことが必要でした。経済はバブル崩壊後の最悪の状態で、超就職氷河期でした。
こういう時代のドラマって世相を反映しているもので、やたらと暗い内容のものが多かったような気がします。
どの程度の氷河期レベルだったかというと、面接希望先に履歴書を送付して、返答があるのは20社に1つ程度でした。ようやく返答があっても、入社試験で競争に負ければ面接にはたどり着きませんでした。
幸いにも私は5社の面接を受けることができ、2社の内々定をもらいました。逆算すると100社に面接希望の申し入れをしたんだと分かってもらえますね。
私たちの頃は、就職関連事業の大手企業から、ある日突然、全国の企業の宛先が印字してある、面接希望ハガキの詰め合わせが送られてきました。(どこで調べたんでしょうね。)200とか300社のハガキが入っていたと思います。
それが届いたら一斉に学生はそのハガキの裏面の簡易な履歴書を書き始めるのです。今じゃちょっと考えられない感じですね。そして「100送った!」とか「200送った!!」と言って変な自慢大会が始まるのです。
そうして夏の終わりぐらいには、戦いの終盤になります。内定を勝ち取った者は余裕面で卒業旅行のためのアルバイトをせっせと始めます。負け組は2次募集の企業を手当たり次第に面接申し込みハガキ送付攻撃です。
この戦いも12月には終焉を迎えます。そして、ここで敗者復活に漏れた戦友たちは、アルバイト募集(店長候補)とか(正規昇任あり)といった地元商店街などの張り紙を見つけてゲリラ戦に突入していくのでした。
今思えば、希望して就職するなんてことは、ほとんどの学生はなかったと思います。しかし、面接では、「御社を希望する理由は、○○○○です!!」などと言って一斉に嘘をついていたんだと想像すると、面接官も含めて何の時間を過ごしていたんだろうというのが感想です。面白いですね。
これが私が学生の頃の就職戦線の様子です。なお、すごく優秀な学歴、才能を、技能をお持ちの方々は、この例によりませんので補足しておきます。
人事採用の面接官について
このような背景で就職活動をしていた多くの人が、今は人事課長や総務課長とかになって、面接官として採用に携わっているのだと思うのです。
しかし、20年近く社会人として企業で働いていると、学生のころに考えていた就職とは少し見える風景が異なってくるようです。
誤解がないように、長く社会人をしたからと言って人間的レベルが上がったとか、そういうことではありません。
企業ごとの必要な人材という考え方が分かってくるのです。何せ、長く働いていると、会社が今から何をしようとして、どんな成果を期待しているのかが、自ずと分かってくるんですね。
だから、企業が人材を募集する際には、しなくてはならないことが決まっていて、それができる人材を探しているんですね。
なのに、学生のころの私は、面接の終了後、面接官は人を見る目がないとか、魅力が欠けていたとか、スーツのセンスが悪かったなどと言って友達と反省会をしていました。
そもそも、面接官は哲学的、道徳的な人の価値ではなく、資源としての人材のスペックを調べる作業を粛々とこなしていたことに気が付いていなかったんですね。
ここでまた誤解がないように、当然、スペックの中身には、メンタル的な要素も含まれています。例えばモチベーションの高さとか、粘り強さとか、協調性とか生産性を大きく左右する部分に関しては重要なスペックですね。
こんな感じで面接官が見ているということを知っていれば、少し見せ方を工夫すれば内定する可能性も上がってきますね。
企業はあなたを放っておけない
ですが、ここでちょっと話のゴール地点を振り返っておきたいのですが、
就職活動は、入学試験と同じ。お金をもらって勉強できるところを探すもの。
という考え方を持ってもらいたいのです。
ということは、私のように”やみくも”、”手あたり次第”、ではなく、自分をブランド化するために必要なキャリアを手に入れるという意識が大切になります。
分かりやすい例でいうと、
「将来、経営コンサルティングで開業したいと考えているから、客単価が業界で一番高いホテルに就職し、どんなところが他のホテルと違うのか勉強する。」
とか
「大手食品メーカで企画の仕事をしたいから、広告代理店で文書スキルや広告手法を身に着けて、販売戦略のプロになる勉強をする。」
というような意識をもって就職先を探すということです。
今の時代は、私の頃には常識だった生涯雇用という考え方は古く、仕事はキャリアを積むところという意識が当たり前になっています。
ということは、就職活動も、『自分のなりたい姿』=『自分ブランド化』を見据えて企業を選んで欲しいのです。
人はそれぞれ自分のなりたい姿は違って当然です。ならばそれを実現するために必要なキャリアも多様です。
初任給の額、福利厚生の内容、企業の安定性、有名か無名か、規模の大きさ、このような基準は決してあなたのブランド化に必要なキャリアを形成しません。
もし今、無用な就職戦線への参加をお考えなら、いったん立ち止まり、自分の将来像を明確にする作業をして欲しいのです。
それが明確になれば、あなたの中に強い芯ができます。そんなあなたに面接官は尋ねます。
「あなたは、なぜ私たちの会社に入社することを希望するのですか?」
強い芯を持っているあなたは、嘘つき劇場の劇団員ではありませんね。
そんなあなたを企業は放っておくと思いますか。欲しくてたまりません。
今回はここまでです。ありがとうございました。

