転職して0から農業を始める本音のメリットとデメリット
こんにちは。Be-labo.の秋山です。
今回の記事は、最近、少しブームになってきた農業への転職や田舎暮らしに関連して、もし、0から農業を始めるとすればどんなメリットやデメリットがあるのかを紹介したいと思います。そして、この記事を読むことで、農業関連の仕事に転職することが現実的な選択肢の一つになることで、あなたの人生設計の自由度が少しでも上がることを期待し始めたいと思います。
なお、この記事の後半では、せっかくなので、デメリットの解消方法ってどんな方法があるのかということもお伝えしたいと思います。実際に都会からIターンなどで田舎暮らしを始めた人たちと関わる中で感じたことを基にしていますので、本気で、(または、ちょっとでも)地方や田舎で生活してみたいとお考えの人は是非参考にしてください。
ちなみに、私は、地方や田舎での起業の悩みを解消するコンサルしています。国の制度や農業関連の法律を踏まえ、個々の経営者の状況に応じた経営改善策を、独自の農業経営計画シートを活用して提案させてもらう仕事も得意分野としています。
転職して0から農業を始めるメリットとデメリット
年齢的なメリットとデメリット
・元気なら何歳からでも始めることができる職業
農業を55歳から始めた人のお話を紹介します。なんとなく想像しやすいメリットなので、実例からメリットを感じてもらう方が伝わりやすいと思います。
65歳が定年ということで、残り10年まで営業職として大手の販売会社で働いていた人でしたが、毎日のように7時過ぎまで営業し、残りの人生をこのまま生きることに辛抱できなくなったということで、転職を考えていたそうです。しかし、55歳という年齢では十分な転職先は見つからず、あと10年我慢するしかないと覚悟していたそうです。しかし、知人から農業法人で働かないかと誘われて、試しに体験させてもらうことに・・・・。
トラクターで広い田を耕運する作業をさせてもらったところ、素人にしてはまずまず綺麗に仕上げることができてとても感動し、時間を忘れて作業しました。気が付けばあっという間に一日が終わり、とても爽やかな汗をかき初日の作業が終了しました。その後、5時に帰宅しお風呂に入り、いつものように湯上りのビールを飲んだとき、体中に水分がしみわたっていく快感を覚えました。その時、<もう迷うう時間などない。転職しよう!>と心の中で決まったのでした。
その後、法人の機械作業担当(オペレーター)として転職し、1日あたり12,000千円で働くようになりました。サラリーマン時代に比べると大きく収入は減りましたが、幸福感は何倍にもなりました。なぜなら、彼は、これまでの営業の経験から、やりかた次第で収入はもっと増やせると手ごたえを感じていたからです。
2年後の秋、彼は法人の事務局長になり、これまでの営業ノウハウを活用し法人売り上げを5倍以上にしました。丁寧な作業ぶりが地域で評判になり、法人以外の個人的な田畑の請負作業もあっという間に増えて、法人の給料と併せて年収800万円以上になりました。その収入で翌年、奥さんにカフェ経営をプレゼントしたということでした。
どうですか、この55歳を過ぎてのサクセスストーリー。農業は今や機械化が進み多くの工程で力仕事はなくなりました。このことで年齢に関係なく働くことができる業種となったのです。農業以外の仕事の経験は大きな資源として農業経営に活用されたのですね。
・作物の出来栄えが全てなので、収入や待遇は人の年齢や経験など全く加味されない
一般的にサラリーマンとして転職する場合は、これまでのキャリアや肩書、人脈といった、年齢に見合った価値を強みとして評価してもらうことができましたが、農業ではあまり役に立ちません。むしろ、ホワイトカラーとして働くことに誇りを感じている人であれば、農業関連の職種への転職は心理的なハードルとなることが予想されます。
農業関連の転職はやはり作業することが基本となります。人材管理や財務管理はよほど大規模な法人でもない限り専門職として配属されることはありません。これまでの経験やキャリアよりも求められる要素はモノづくりの意欲です。
それから、もう一点、多くの作業は機械化されましたが、体を使って作業することは必要です。農業は必ず収穫時期が繁忙期となり、一度に多くの作業を要する時期が来ます。その時はさすがに体力勝負となります。全て自分でできる体力がない場合には他の農家に協力を求めることも必要となります。(農業ヘルパーの活用については後述します。)
人間関係のメリットとデメリット

・不公平な人事や理不尽なクレーム対応はほとんどなく、精神的には健全な状態が続く
・農家どうしは同じ苦労を共有しているのでフラットな関係が作りやすい
メリットの一つは、生き物相手なので、人間関係によるストレスはほとんどないです。数量に応じた明快な収入システムと作物の出来栄えによる正当な評価が得られ、理不尽なクレーマーの対応などほぼありません。
サラリーマンの間には仕事から解放された自由な時間であっても、次の日以降のことを考えると憂鬱になったり、クレーム処理のことをあれこれ考え、結局、休んでいても働いているのと同じくらいにストレスを感じて生活をしていると思います。
農業はそのような人間関係のストレスは少ない代わりに自然現象に対するストレスが主なものとなります。天候不順や作物の病気、虫や自然動物の害による作物へのダメージが不安材料です。
しかし、多くの場合、栽培体系や対策が十分に実証されているため、適切な対応により回避できるようになっています。また、収入減少に対応するための共済制度や国の救済制度もしっかりしているのが農業の強みとも言えます。
また、もう一つのメリットとして、農家どうしのネットワークはフラットで、サラリーマンのように上司や取引先に過剰に気を使う必要は全くありません。同じ悩みや苦労を共有する仲間として意見交換できるので、良い人間関係を構築しやすいのも農業の魅力といえます。
後ほど詳しく記述しますが、農協や道の駅等の農産物販売グループはおおむねどこの田舎にもあり、ネットワークに参加することでイベントやセミナーなどで気の合う仲間もすぐにできると思います。
・人との出会いがサラリーマンに比べ少ないので地味
・生き物を相手にしているので長期休暇などが取りにくいという時間的な制約がつく
・田舎特有の『共同作業』への参加が必要
人の出会いが少ないというのはデメリットでもありメリットでもあります。ただし、様々な人と日々新たな出会いを求める人には刺激の少ないことはデメリットと感じることでしょう。特に、作業中は黙々と集中して一人で行うことが多く、和気あいあいと会議をするようなことはほとんどありません。
また、昼食時にランチグルメを楽しむこともないですし、ファッションセンスを褒めてもらうこともほぼなくなります。地味な仕事としてイメージされるのは仕方ないことです。
また、生き物相手の職業ですので、1週間休みとか1か月休暇で旅行などというまとまった休みがとりにくいのも事実です。水稲栽培などの収穫時期が1年に一回というようなものは農閑期にまとまった休みを作ることができますが、酪農などは一日も休むことはできないので自由度が下がります。
ですが、酪農家の過ごし方というのは意外と魅力的なところもあり、早朝5時くらいから午前中の作業を終わらせると11時くらいまでは自由な時間ができます。この時間に趣味のことをしたり、特産品のグループの仲間と活動したりして楽しい時間を過ごす人が多いようです。
昼の作業が終わると午後は5時くらいまで自由な時間ができるので、そこからまた午前中の続きをしたり、昼寝や読書をしてゆっくり過ごすという生活スタイルです。5時から2時間程度搾乳作業などを終われば、その後は帰宅してお風呂に入り家族団らんという感じです。サラリーマンでは考えられないデメリットとは言い難いライフサイクルですね。
最後に、田舎特有の『共同作業』の存在です。農業をするということは、少なくとも水路又は農業用水や農道や里道を利用することとなります。当然、これらの管理は利用する人の負担で管理しなければなりません。田舎特有の共同作業とは、この管理が主なものとなります。共同の草刈り作業や清掃作業、傷んだ農道の補修作業やため池の保全作業など年に数回の参加が求められます。
また、伝統的なイベントなどがあれば積極的に参加することが暗黙のルールになっているような場合もあり、煩わしく感じる共同作業が多いのが農業の舞台となる田舎暮らしのデメリットです。中にはこの共同作業が嫌でサラリーマンに戻る人もいます。この問題については、事前に地域のことを十分に調べておくことをお勧めします。
ちなみに、事前の調査はかなり様々な知識が必要となりますので、Be-labo.では調査代行をしておりますので、ご希望の際には気軽に相談してください。ただいま、初回相談無料です。⇒Be-labo.お問い合わせフォーム
資金面のメリットとデメリット
・農業分野は公的補助金や貸付資金の種類が豊富でお得感がかなり高い
・就農時の初期投資について様々な機関が協力的であり無理なく効果的な資金繰りがしやすい
一つ目のメリットとして、農業は国力の基礎でもあるため、とにかく公的な支援制度が多いのです。土地の取得に関するものから、農業機械の購入や販売促進活動に至るまで様々な補助金や貸付金制度が準備されています。
特に専業農家を支援する施策はかなりの手厚さで、例えば認定農業者制度(公的機関が認めた農業経営計画を持つ農業者の制度)では、無利子の高額借入などがあります。1億円レベルの借り入れも可能で、これが無利子という通常では考えられないものが用意されています。
具体的に考えてみますと、もし車のローンのように年率5%の利子が付くとすると、年間500万円を支給されたことと同じになるわけです。これが毎年ですので、トータルでいえば2千万円以上の支給を受けたことになります。
また、補助金なども種類が豊富で、1ヘクタール(10,000㎡)当たり50万円を受け取れるような方法もあります。また、新たな事業に挑戦する農家を応援する制度などもあり、事業費の75%の補助を受けることができるような制度もあります。(あまりにも多岐にわたるため、私たちBe-labo.のように、有利な組み合わせを助言するようなサービスも生まれるほどです。)
二つ目のメリットですが、法的にも支援の裏付けがしっかりされていまして、農業者を支援する国の機関は各地にあり、また自治体も法に従って様々な支援機関を準備しています。
例えば、イノシシやシカなどの駆除に関する公的組織の設置や病害虫に関する情報共有化のシステム化、農業栽培技術の普及や経営アドバイザーの派遣支援など金銭的な側面だけでなく、スキルやノウハウの提供などの面でも手厚い支援を用意しています。
さらには、農業委員会ともタイアップし田舎暮らし相談会なども開催するなどして、有益な情報の提供もあり、中には農業者の婚活支援までもしている地域もあります。
・サラリーマンの転職に比べ初期投資が大きくなる
・購入した機械類は他用途への使いまわしが困難
資金面のデメリットとしては、農業への転職は機械類の準備などが必要で初期投資がサラリーマンに比べて大きくなります。特に、個人経営を始める場合にはそろえるべき機材が増えるため、それなりの原資を用意しておく必要があります。
ただし、前述したとおり、資金面での支援が手厚いため初期投資の大きさは、かなりのところ回避できるものとなっています。問題は2つ目のデメリットに掲げているように、いったん農業を本気始めると決めて初期投資をすると、後戻りがしにくいというのがデメリットになります。
農業への転身はライフスタイルや居住地域の転身にもなる大きな人生の選択になります。このことが、気軽に転職できる一般のサラリーマンとの大きな違いになっています。
デメリットの解消方法
ヘルパー制度の活用
何歳からでも始められるのが農業のメリット。一方で、年齢に関係なく体力勝負でもあります。しかし、地域によっては農業ヘルパー制度が充実しているところもあります。一人では出来ない作業を委託したり、長期の不在時に活用することで、体力的な面や時間的な制約を解消できます。
農業を始めようとするときには農業ヘルパー制度についてどの程度のサービスが活用できるのか事前に調べておくことをお勧めします。主に市役所や役場の農業関係の係に問い合わせることで情報が収集できますが、希望する地域の農協や酪農協などに問い合わせることも有効な手段です。中には農業委員会で制度の運用をしているところもありますので、そちらに聞いてみるのも良いかもしれません。
農業系団体への参加
生き物相手ですから人間関係が煩わしいという方には向いているかもしれませんが、そうは言ってもやはり仲間がいる方が絶対に楽しいですね。そこでお勧めするのが農業関係の団体に参加することです。
例えば、新規就農者の研修グループは農協が事務局を運営している場合が多いので就農を希望する地域の農協に問い合わせてみると良いでしょう。また、最近では田舎の道の駅では農産物の販売グループがあることが多いので、そこに問い合わせて連絡先を聞いてみるのもお勧めです。
他にも、若い世代の交流を目的とした農業青年会などを自治体が運営に関わっている場合も多いので、市役所や役場に問い合わせてみると良いでしょう。
地域によっては、国の制度である『地域応援隊』を活用して農村地域の活性化を進めているところも珍しくないので、そういった観光や地域振興に関する自治体の部署にマッチングしてもらうことも活用できる方法です。
農業は年齢に関係なく始められる業種ですから、様々な年代の人と交流できるのも魅力の一つです。せっかく転職するなら楽しい方が良いですよね。

各種補助制度や制度資金の活用
農業はサラリーマンに比べて初期投資が大きくなります。例えば、農地を耕すためには、トラクターが必要になります。少なくとも生活できる程度に農地を耕作するなら、高付加価値の野菜であっても最低でも300㎡から500㎡(30~50アール≒3~5反)程度が必要です。一般的な野菜や米となると1万㎡(1ヘクタール≒10反)以上の面積になります。
この面積を経営するにはやはり機械化は避けて通れません。また、ハウス栽培をするならビニールハウスやガラスハウスの建設費用が必要ですし、水耕栽培にしても施設整備が必要となります。
このように、どのような作物にしても、家畜にしても、初期投資をしなければ始めることはできません。このことが、農業を始めるための大きなハードルになっているのです。
しかし、この課題は国も地方もよく理解しているため、その分準備されている支援制度も豊富です。
○○補助金、○○給付金、○○交付金
お金がもらえる制度です。ただし、全額もらえる制度は少ないです。50%の補助というのは結構よく見る率です。例えば、新規就農者の初期投資に対して50%を補助金で支援するというような感じです。田舎の人口減少が著しい自治体などは農地の荒廃を食い止めるためにかなり補助率を上げている場合が多いので、自治体のHPサイトでしっかりと比較しましょう。
○○資金、○○利子補給、○○リース制度
お金を無利息や低利息で借りる制度です。機械や施設を譲渡特約付きで貸してもらえる場合も良くあるパターンです。お金を借りる場合は無利息で借りられる制度があります。『認定農業計画』を策定することで、対象者となることができるもので、1億円借りても無利息みたいな感じでとても有利な資金です。ちなみに、計画を策定する際には様々な専門機関が関わりますので、ギャンブル要素は排除されリスクは低くなりますので、そういう意味でもとても有利な資金が多いです。
(ちなみに、私は2億円クラスの経営計画策定の経験を有し、審査一発合格という実績から緻密さには自信があります。ご用命の際には先ずは気軽にご相談ください!!)
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この記事のまとめ
では今一度この記事の内容をまとめてみます。
転職の候補として農業を0から始める場合のメリットとデメリットは次の通りです。
・元気なら何歳からでも始めることができる職業
・作物や販売方法を選択することで煩わしい人間関係は回避できる
・農家同志は同じ苦労を共有しているのでフラットな関係が作りやすい
・農業分野は公的補助金や貸付資金の種類が豊富でお得がかなり高い
・就農時の初期投資について様々な機関が協力的であり無理なく効果的な資金繰りがしやすい
・作物の出来栄えが全てなので、収入や待遇は人の年齢や経験など全く加味されない
・人との出会いがサラリーマンに比べ少ないので地味
・生き物を相手にしているので長期休暇などが取りにくいという時間的な制約がつく
・サラリーマンの転職に比べ初期投資が大きくなる
・購入した機械類は他用途への使いまわしが困難
どんなものにでも両面性はあるということですが、大手や有名企業、レアなスキルやノウハウを持たずに転職するとなれば、他人との競争になるため、望むような転職はなかなか難しいところもあります。しかし、農業を始めるならば、年齢もスキルも、ほとんど差がない状態から始められることを理解してもらえたのではないでしょうか。
これから将来のことを考えたとき、定年を迎えるまで人生の多くを今の会社に捧げて終わるのか、それとも自らの時間を大切にするのかと悩む時期は誰にも訪れると思います。
人生は平等に誰にとっても一度きりです。会社の都合だけで自分の人生を決めるのではなく自分の自由な意思で生きていく道を選びたいものですね。そんなとき、『農業』という選択肢が十分に検討に値するものだということを覚えておいていただければ、この記事をお届けした甲斐があったと嬉しく思います。
もし、どうしても農業で開業するまでのことや、田舎への移住などについてもっと色々な話を聞いてみたいという方は、気軽にお問合せからでもご連絡ください。(現在のところ初回相談は無料です。)お待ちしております!では、またです。

